歯が長く見えるのは
歯茎が下がったから!?
ふと鏡を見たとき「歯が長くなった」と感じたことはありませんか?
通常、大人になってから歯が目で見て分かるほど伸びることはありません。歯が長くなったと感じる原因のほとんどは、歯茎が下がったことにあります。つまり、歯が長くなったのではなく、歯茎が下がったことで相対的に「長く見える」ということです。
歯茎が下がることで、歯の根元の隙間(歯間)が広くなり、食べ物がつまりやすくなったり、審美的な問題を抱えることになります。このように歯茎が下がったり、痩せてくることを「歯肉退縮」と呼びます。
セルフチェック
- 以前より歯が長くなったように見える
- 歯の根元の隙間(歯間)が広くなった
- 食べ物がよく詰まる
- デンタルフロスや歯間ブラシがやけに簡単に通る
- 歯の根元にふれるとしみる
こういった症状がある場合いは、歯肉退縮が進んでいる可能性があります。
歯周病などの口腔トラブルが起こっている可能性が高いため、お早目にご相談ください。
歯が長くなった・歯茎が下がる
原因
歯茎が下がって歯が長くなる原因は、歯周病だけではありません。
知覚過敏、見た目の問題などを招くことがありますので、いずれの原因にも注意していく必要があります。
歯磨きの力が強い
歯磨きの力が強すぎると、特に厚みのない部分の歯茎は退縮してしまいます。
咬み合わせが悪い
咬み合わせが悪いと、一部の歯茎、顎の骨にダメージが蓄積し、歯茎が下がる原因になります。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりも、歯茎、顎の骨への大きな負担を生み、歯肉退縮の原因になります。
矯正治療後の歯肉退縮
矯正治療によって、歯が顎の骨より外側に動いた場合には、歯茎が下がってしまうことがあります。
歯が長いまま・歯茎が
下がったままにしておくと…
審美性の低下
歯茎が下がると、歯が長く見えたり、歯の根元の隙間が大きくなるなどして、口元の審美性が低下します。
知覚過敏
歯の根元はエナメル質で覆われていないため、歯茎が下がって露出すると、知覚過敏を起こしやすくなります。
歯の根元の虫歯
知覚過敏と同様の理由により、歯の根元は簡単に虫歯になってしまいます。
歯周病の悪化・歯の脱落
食べ物が詰まりやすくなる、汚れが溜まりやすくなることから、歯周病が悪化します。さらに放置していると、最終的には歯の脱落に至ります。
歯が長くなった・歯茎が
下がった場合の治療
歯周病を原因としている場合には、 下がった歯茎を回復させるための「歯周形成外科手術」が必要になります。
歯周病治療
歯周基本治療(ブラッシング指導+スケーリング・ルートプレーニング)を行います。
歯周基本治療で十分な効果が得られない場合には、フラップ手術を行うことがあります。
ブラッシング指導
磨けているところ、磨けていないところをチェックした上で、ブラッシング指導を行います。
デンタルフロス、歯間ブラシ、洗口液なども併用していきましょう。
歯石除去・歯のクリーニング
プラーク、プラークの溜まる原因となる歯石を除去します。ブラッシングの改善と並行して取り組んでいくことが大切です。
歯周組織再生療法
吸収が進んだ顎の骨を、エムドゲインゲルの塗布によって再生させる治療です。
歯周形成外科手術
下がってしまった歯茎の改善を目指す手術です。
症例に応じて、「結合組織移植術」「遊離歯肉移植術」「根面被覆術」といった術式を使い分けます。